世界最初の王ファラオ、ルーガル、皇帝
盤古が天地を分けしより、三皇五帝夏商の君、周朝、紂を伐ち天下を興し、代々相承ぐ八百年の春・・・・」これは元・明に流行した「三国志」歴史講談の冒頭である。中国人の歴史は、必ず「三皇五帝夏殷周」とするのがお決まりである。始皇帝が定めた「皇帝」という尊号には、その功と徳が古代の三皇五帝よりも大であるという意味が含まれていた。だが三皇五帝に誰を数え上げるかについては、諸説あり、それゆえに、個々の人名よりも数字の枠組みに意味があるとする。三皇五帝で、どの説にも必ず入っているのは、黄帝、堯、舜である。しかしこれらは伝説上の帝王で、夏朝の実在も立証されていないので、中国古代文明の帝王の存在は、いまのところ紀元前1400年頃とみてよい。
中国に比べて、エジプトやメソポタミアでは、大河流域での大規模灌漑文明が誕生し、中央集権的王の出現も早かった。古代エジプトの君主の称号は「ファラオ」といい、ナルメルとする説やメネスとする説がある。紀元前3100年頃のエジプト・ティニスに都したナルメル王は上下エジプトを統一した。彼は半ばメンフィスの神話上の建設者メネスと同一視される。ファラオは元来エジプト語で「大きな家」per(家)-O(大きな)を意味する語から由来するもりであるが、新王国以後は「神の化身」として用いられた。メソポタミアではシュメール人の都市の支配者はエン(主人)と呼ばれ、神殿の大祭司を兼ねていた。それが軍事力をもち世俗的王となり、「ルーガル」と呼ばれた。最初のルーガルは、キシュのメバラゲシ(前2700年頃)といわれる。次にウンマのルガルザゲシ(画像、前2380年)が現れる。最終的にメソポタミアを統一したのは異民族のアッカドのサルゴン1世(前2350年)である。世界史、lugalkisalsi、ルガルキサルシ。
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