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2019年12月 4日 (水)

肉体の悪魔

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   第1次世界大戦下のパリ近郊のリセ。17歳の青年フランソワ(ジェラール・フィリップ)は看護婦マルト(ミシュリーヌ・プレール)と出会い、ひと目で恋に落ちる。軍人の婚約者がいるマルトも、年下のフランソワにどんどん惹かれていく。だがマルトの母の反対や、フランソワの両親の心配もあり、二人は別れる。しかし半年後、偶然の再会をきっかけに以前にも増して、二人の恋は燃え上がる。夜の桟橋で逢う約束をした二人。そこにはすでに一時間もフランソワを待つマルトの姿があった。二人は肉体の悪魔にひきずられていく。この許されぬ愛もやがて戦争が終結すれば断ち切らねばならないのだ。マルトが妊娠した。それが隠せなくなった時、ついにマルトは夫にすべてを打ち明ける決心をする。フランソワには、それに反対する勇気もなかった。別れのひとときを思い出のレストランですごした二人は、はじめてランデブーをしたカフェに出かけ、そこで終戦を知らせる国歌を聞いた。だがマルトは力つきて倒れ、フランソワは駆けつけた母によって引き離されてしまった。凱旋した夫に見取られ、死の床のマルトは、フランソワの名を呼びながら、愛の結晶を残して死んでいた。

   クロード・オータン・ララ監督「肉体の悪魔」(1947)は、レイモン・ラディゲの有名な恋愛小説をロマンティックに脚色した戦後フランス映画を代表する作品。当時24歳だったジェラール・フィリップは17歳の少年の繊細な心を完璧に演じあげた。彼は1922年12月4日南仏カンヌで生れた。女性たちのため息をあつめたフランス映画界のプリンスは1959年、36歳の若さで世を去った。墓は南仏サントロペ近郊の美しい村ラマチュエルにある。

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コメント

美しい俳優で、私は10年以上前に「パルムの僧院」という映画を見て画面に釘付けになってしまいました。「花咲ける騎士道」も、その美男ぶりを堪能できます。
ジェラール・フィリップ、佐田啓二、ジェームス・ディーン、赤木圭一郎、心に強く残る美男俳優、惹きつける個性を持った俳優で早世すると、いつまでも若い面影で記憶されますね。

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