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2019年12月15日 (日)

霧のロンドン、花のパリ

   イギリスの天気は変わりやすい。ロンドン紳士といえば山高帽と細巻きの黒い傘というイメージがあるが、毎日のように小雨が降っているか、さもなくば曇り模様の天候だ。地図の上で、日本よりはるかに高い緯度に位置している。樺太とほぼ同じくらいと考えてよい。高緯度地域にはほぼ一年中居座る大規模なアイスランド低気圧から発生する移動性低気圧が国内の天気をめまぐるしく変化させるからだ。

   「ロンドンに飽きた人は、人生に倦きたのさ」といったのはサミュエル・ジョンソン博士だ。ロンドンの街はどんなに歩いても飽きない。ロンドンの経済の中心はテムズ川左岸、ロンドン橋の北方を占めるシティである。金融の中心地ロンバート街やジャーナリズムの中心地フリート街がある。またギルド・ホール、ロンドン塔、セント・ポール寺院もシティにある。シティの西はウェスト・エンド、北東にはイースト・エンドがひろがる。ウェスト・エンドは古書の街チャリング・クロス街、リージェント街、ピカデリー街など繁華街がある。イースト・エンドはかつては貧民街だったが、第二次世界大戦のさいの爆撃により焼失を機会に、新しい住宅地へと変貌した。

   だが、ロンドンに生まれ育った生粋のロンドンっ子が詩人とか作家になるというのはあまり聞かない。たとえば明治東京の夏目漱石やボードレールのパリというように、深い因縁はないような気がする。ウィリアム・シェークスピアは地方出身(ストラトフォード オン エーボン生まれ)だし、あれほどロンドンをわが町のように描いたデイケンズもポーツマスの生まれである。推理作家コナン・ドイル(エジンバラ生まれ)も、流行作家サマーセット・モーム(パリ生まれ)もロンドン人ではない。しかし、ロンドンにゆかりのないイギリス文学者をあげることは難しい。ここでロンドンゆかりの文学者を思いつくままにあげてみよう。ジェフリー・チョーサー、エドマンド・スペンサー、ジョン・ダン、ベン・ジョンソン、アイザック・ウォルトン、ジョン・ミルトン、ジョン・バニアン、ジョナサン・スウィフト、ダニエル・デフォー、アレグザンダー・ポウプ、トマス・グレイ、リチャード・シェリダン、ウィリアム・ブレイク、チャールズ・ラム、コウルリッジ、リイ・ハント、バイロン卿、パーシー・ビシー・シェリー、ジョン・キーツ、ウィリアム・エインズワース、アルフレッド・テニソン、ロバート・ブラウニング、ウィリアム・サッカレー、マシュー・アーノルド、トマス・ハーディ、バーナード・ショウ、H.G.ウェルズ、トマス・スターンズ・エリオット、ジェームズ・バリー、ウィリアム・イェーツ、ベアトリックス・ポター、ジョン・ゴールズワージー、チェスタートン、ヴァージニア・ウルフ、ディヴィド・ハーバート・ロレンス、アーサー・ウェリー、イーヴリン・ウォーなど。

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