ヒッチコック「鳥」の恐怖
アルフレッド・ヒッチコック。人間心理に根ざした恐怖を晩年まで描き続けてきた監督は彼をおいていない。スリラー映画の神様は研究してもしつくせない奥行きがある。代表作は「鳥」(1963) サンフランシスコの近郊にある漁村。ある日、一羽のカモメが若い女性の額を襲った。翌日、大群のカモメが押し寄せ、暖炉からは無数の小鳥が侵入してくる。やがて鳥の大軍が小学生たちを襲い、逃げまどう。町の人々は原因がわからず、若い女性は「あなたがこの町に来てから災いが起こった。魔女だ」と皆から責めたてられる。主演はティッピ・ヘドレン、スザンヌ・プレシェット、ロッド・テーラー。新聞社の社長令嬢ティッピと小学校の女教師スザンヌは対照的に描かれている。スザンヌはロッド・テーラーの元彼女。母親の反対で引き裂かれたらしい。スザンヌは鳥の襲撃に遭い死ぬ。完全なる美の持ち主であるティッピは都市社会の現代文明の象徴である、自然の象徴である鳥との対立構造が基本になっている。しかしティッピとスザンヌの2人の女性も対照的である。やや倦怠感が感じられるスザンヌはタバコをふかし、虚ろなまなざしをしている。人工的なものは自然の脅威の前には無力であるというメッセージが感じられる。
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ヒッチコックは恐怖映画たくさん作ったのに、ひょうきんな顔してますね。
いたずらオジサン的な・・・。
投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2015年1月15日 (木) 08時03分