珈琲とバッハ
コーヒーはもともとイスラム世界にあるもので、イスタンブールには早くからコーヒー店があった。ロンドンでは1654年に開業したクイーンズ・レイン・コーヒー・ハウスが古く、17世紀中頃には新聞や雑誌を読んだりする、情報収集の場としても広がっていた。ただし女性が出入りすることはなく、男性客のみが対象であった。17世紀の終わりには、2000軒ものコーヒーハウスがロンドンにあった。J・S・バッハ(1685-1750)が住むライプツィヒにもコーヒーハウスが8軒あり大繁盛している。もちろんドイツでも「女性はコーヒーを飲むべきではない」とされていた。このような風潮に反発する女性の声を代弁したのが詩人のピカンダーで、「おしゃべりをやめて、お静かに」(1732)という、コーヒー好きの娘リースヒェンと、なんとかコーヒーを止めさせようとする父親シュレンドリアンの様子をコミカルに風刺した。バッハは1734年にこの詩に曲をつけ、「コーヒーカンタータ」をつくった。バッハも遺品からコーヒー・カップやポットがあり、コーヒーを好んでいたらしい。「1000回のキスより愛おしく、マスカテル・ワインより甘美だ」と言っている。イギリス、ドイツに遅れてコーヒーが広まったフランス。1715年にルイ14世の命により、当時ブルボン島と呼ばれていた自然豊かな島にコーヒー豆が栽培された。しかしルイ14世の時代、宮廷ではコーヒーはさほど普及せず、次代のルイ15世の時代にコーヒーは普及する。(Bach,Cofee Cantata,Schweight still,plaudert nicht)
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とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿: 株式の配当 | 2012年11月21日 (水) 19時06分