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2019年10月 1日 (火)

高校世界史 あの「人類進化の図」は間違いだった!?

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   世界史教科書は人類進化の説明で始まる。ここ数年、DNAの解析によって人類の進化過程は大きく変化している。だがむかし学校で学んだ誤解はなかなか消せるものではない。大きな誤解の一つは、アウストラロピテクス(猿人)→ピテカントロプス(原人)→ネアンデルタール人(旧人)→サピエンス(新人)という人類進化模式図にある。近年のDNAの研究の結果、わずか10数万年前にアフリカを出た一団が現生人類(ホモ・サピエンス・サピエンス)となって、世界各地に広がり、現代人の祖先となったとする単一起源説が有力である。これに対して、北京原人などが原シナ人と関係するとする多地域起源説を唱える学者も一部にいる。またネアンデルタール人がクロマニョン人と混血したと考える学者もいる。すべての解明は今後の研究を待つしかないが、画像にみられるような猿人、旧人、新人という一直線的な単純な図式はある誤解を生む。伊藤嘉昭の「人間の起原」(紀伊国屋新書、1966年)の「人間へむけてのヒトニザルの進化を示す模式図」(48p)は教科書や副教材に転載され、よく見られた図版の一例である。この図を生徒が見れば、ホモ・エレクトゥスからネアンデルタール人へと進化し、クロマニョン人になったと誤解するだろう。なにか1つの種がほかの種に変わって、そしてまた別の種に変わっていくということはない。偶然に各地で発見された人類化石を発達段階に並べても、絶滅している場合もあるので、相互に関係していないことが多い。かつて20種にもおよぶ人類が誕生と絶滅を繰り返してきた。それは「優れた者が生き残る」という進化の物語とは少し違い、時には強者が絶滅し、弱者が生き残ることもあったと考えられている。また文化的特性にも誤解は多い。北京原人が火を使用したことは歴史学習では常識であったが、現代の欧米の学者たちは北京原人の火の使用までも疑問視している。日本ではネアンデルタール人が花をもって死者を悼み、埋葬したことが広く知れ渡っているが、ネアンデルタール人の前頭葉から考えると、ネアンデルタール人の生死観に懐疑的な見解を示している。ジャワ原人、北京原人、ネアンデルタール人たちは絶滅してしまったのだ。つまり化石人類の文化的特徴を誇張するよりも、むしろ新人との相違を理解させることがより重要ではないだろうか。( keyword;Homo sapiens sapiens )

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