山本五十六の戦時下の恋
テレビ東京の「海にかける虹 山本五十六と日本海軍」12時間ドラマを観る。山本五十六を古谷一行、芸者の梅龍を池上季実子が演じている。阿川弘之「軍艦長門の生涯」、高橋猛「海軍めしたき物語」を原作に、新藤兼人らベテラン脚本家が下ろす。山本五十六は幾人の女性によくモテた男で色恋の歌を残している。
うつし絵に口づけしつつ幾たびか
千代子と呼びてけふも暮しつ
*
おほろかに吾し思はばかくばかり
妹が夢のみ毎夜に見むや
海軍少将・山本五十六が新橋芸者の梅龍(当時28歳)初めて会ったのは、昭和8年、築地の料亭錦水の宴席でのことだった。梅龍、本名は河合千代子(1904-1989)は家業は株屋であったが、関東大震災後、没落し、一時、ある資産家の世話になったが、やがてその人とも別れ、1年前からお座敷に出ていた。宴席で吸い物が出た。五十六は日本海海戦で左二本指を失っていたため、吸いついたお椀の蓋をとるのがなかなかできなかった。梅龍が「とってあげましょうか」と声をかけた。それに対して五十六は、「自分のことは自分でする」と怒ったように答え、それをきいて、梅龍は「いやな人」と思ったという。しかし、二人の仲は急速に深くなった。戦時下、寸暇を惜しんで二人は会い、手紙を交換する。妻子ある元帥と芸者の10年に及んだ恋は、五十六のブーゲンビル上空での戦死により、咲くことなくはかなく散った。(参考:渡辺淳一「キッスキッスキッス」小学館)
「恋愛」カテゴリの記事
- パリ、青いスカートの女(2015.01.07)
- 芸能人同士の結婚(2024.12.03)
- 男だけのフィーリング・カップル(2014.10.07)
- キッスは奈良時代からあった(2016.04.27)
- ラテン式「愛とセックス」観を学ぶ(2014.07.11)
コメント