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2019年8月10日 (土)

和同開珎は「かいほう」か「かいちん」か?

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 銭字の配列順が「開元通寶」と異なる

  708年のこの日、和同開珎を鋳造した。皇朝十二銭の第一・和同開珎。政府はこの貨幣を流通させるため711年に蓄銭叙任令(多くの貨幣をたくわえた者に官位をさずける)を発布したが、地方にはあまり広まらなかった。和同開珎は近年、富本銭の発見によって、最古の貨幣ではなくなったが、富本銭の流通範囲は限られていたため、和同開珎の歴史的存在意義は揺らぐことはない。だが長年にわたる論争の決着はいまだ着いていない。江戸末期から明治にかけては、「わどうかいほう」と読んでいたが、近年は「わどうかいちん」が優勢である。元来、唐の開元通寶を模したため、「珎」は「寶」の通字と考えられていた。また「和同」についても、年号の「和銅」の省略説と、中国古典から採った吉祥語とする説があって、年号から採ったとする根拠は低い。たとえば論語の説く「君子は和して同ぜず」に由来するという説もある。奈良朝の貴族が論語を歓迎していたとする。奈良時代の人々は珍の通字「珎」と寶の省文「珎」を、巧みに識別したのでこんな混乱が現在まで起こっているのであろう。近年では「わどうかいちん」説が優勢となっている。(8月10日)

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日本史」カテゴリの記事

コメント

私が中学生だったころの教科書には、「わどうかいほう(かいちん)」と、「かいほう」が正式名でした。
高校生の教科書には「かいちん」になっていました。
こんなふうに、コロコロ変わると混乱するんですよね。

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

読み方gあ論議されている話は知ってましたね。

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