世界最初の年金制度は?
「老後30年で2000万円が必要」という金融庁の報告書をめぐって与野党の論戦が続いている。別の計算では3000万円が必要という試算報告もある。人それぞれの生活で金額は大きく異なるが、ひとつ言えるのは年金だけでは不十分ということ。一説によると世界で最初の強制加入の年金保険制度はドイツ帝国初代首相ビスマルクだといわれている。しかしこれは貧困層を対象とした社会保障制度として実効あるものかどうか疑わしい。1889年の年金保険制度は30年間保険料を納めた者が70歳からもらえるという。当時の平均寿命から考えると貰える人はわずかで、これは社会福祉というよりも戦費調達目的だったであろう。
年金制度の歴史は世界で最初に産業革命を経験したイギリスに始まったと考えられる。「ロンドン市民の生活と労働」を著したチャールス・ブースの研究の影響を受けて、イギリスでは1908年70歳以上の貧困高齢者を対象に無拠出老齢年金制度が創設された。スウェーデンでも1913年に全国民を対象とする国民年金法が成立した。日本では1890年に「官吏恩給法」「軍人恩給法」が公布された。
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