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2019年5月15日 (水)

六甲おろし

 阪神タイガースが好調である。その応援に欠かせないのが「六甲おしろ」

六甲颪に 颯爽と

蒼天翔ける 日輪の

青春の覇気 美わしく

輝く我が名ぞ 阪神タイガース

オウ オウ オウオウ 阪神タイガース 

フレ フレフレフレ

   この「阪神タイガースの歌」、通称「六甲颪」は、もともと昭和11年「大阪タイガースの歌」(作詞・佐藤惣之助、作曲・古関裕而)として作られた曲である。

   佐藤惣之助(1890-1942)は、明治23年12月3日、父・佐藤慶次郎、母うめの二男として、神奈川県川崎市砂子1-26、旧宿場で生まれた。小学校を卒業すると、商店に奉公に出る間、佐藤紅緑に師事して俳句、小説を学んだのち、18歳頃より詩作を始める。千家元麿、福士幸次郎らとつぎつぎと同人雑誌を出し、室生犀星を知るに及んで、詩壇的地位が築かれた。大正5年の処女詩集「正義の兜」では民衆派詩人として出立するが、大正10年の詩集「深紅の人」以後、詩風は一変し、明るい都会的、感覚的なものになる。昭和になるとコロムビアの専属作詞家として今日よく知られる歌謡曲を多数残している。「赤城の子守唄」「湖畔の宿」「男の純情」「青い背広で」「人生の並木路」「人生劇場」「上海だより」「愛の小窓」「いろは仁義」「新妻鏡」。昭和17年5月15日、53歳で早逝した。

山の淋しい湖に

ひとり来たのも悲しい心

胸のいたみにたえかねて

昨日の夢と 焚きすてる

古い手紙のうすけむり

    昭和15年、高峰三枝子が歌い大ヒットした「湖畔の宿」。このモデルとなった湖とは群馬県の榛名湖だそうだ。佐藤惣之助は釣りが好きで、先妻を亡くしたあと一緒になった萩原朔太郎の妹、愛子の実家が前橋だったのでよく榛名湖に遊びに行っていた。佐藤が常宿の「湖畔亭」の仲居に宛てた手紙が発見され、「湖畔の宿」の舞台が明らかになったという。

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