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2019年5月10日 (金)

豚汁(とんじる)はなぜ「重箱読み」なのか

  熟語を読むとき、上下ともに音か訓にそろえて読むのが普通である。上下ともに音だけで読むのが「音読」、上下ともに訓だけで読むのが「訓読」である。

音読例・・・社会(しゃかい)、人間(にんげん)、個人(こじん)

訓読例・・・立場(たちば)、生糸(きいと)、山道(やまみち)

  しかし、音と訓の両方をまぜて読むのもある。「重箱読み」と「湯桶読み」がそれである。

重箱読みとは「重箱(じゅうばこ)」を「じゅう・ばこ」と読むように、上の字を音、下の字を訓でよむ読み方である。

例・・・献立(こんだて)、縁側(えんがわ)、反物(たんもの)、合羽(かっぱ)、気持(きもち)、一割(いちわり)、金鍔(きんつば)、団子(だんご)、縁組(えんぐみ)、出立(しゅったつ)

湯桶読みとは「湯桶」を「ゆ・とう」と読むように、上を訓、下を音で読む読み方を言う。

例・・・手本(てほん)、消印(けしいん)、夕刊(ゆうかん)、小僧(こぞう)、身分(みぶん)、野宿(のじゅく)、家賃(やちん)、切符(きっぷ)、今様(いまよう)

 このほか、「国境」のように「こっきょう」「くにざかい」と音訓両方の読み方が慣用されているものがある。では「豚汁」はどのように読むのか?ある調査によると、1000人に聞いてみると、およそ8割の人が「とんじる」(重箱読み)と読み、2割の人が「ぶたじる」(訓読読み)であった。広辞苑には「ぶたじる」で載っているが、一般的には「とんじる」と言う人の方が多い。ウィキペディアには「豚汁」を重箱読みの代表例に挙げているのが不思議だ。お好み焼きでも豚玉は「ぶたたま」であって「とんたま」とは言わないだろう。「とん汁」の称呼は「とんかつ」と関連する。昭和初期に洋食屋のメニューに「とんかつ」が普及すると、「とん汁」という呼称も東京から全国に広まったらしい。

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