世界の民族と言語
世界の言語
民族とは現実の社会・経済関係を基礎に一定の地域において歴史的に成立し、その存続の条件はさまざまだが、しばしば共通の祖先に由来するとの信仰に支えられており、独自の伝統文化ことに独立の言語を発達させ、歴史を生きる基本的単位をさす。民族は語族で分類される。インド・ヨーロッパ語族、セム語族、ハム語族、ウラル語族、アルタイ語族、シナ・チベット語族、オーストロネシア語族など。言語学の分類に基づくと、地球上には現在2000以上の民族と6500の言語が存在するといわれている。第二次世界大戦におけるアジア・アフリカの新独立国は、植民地の解体によって、単族国をうちたてたものである。しかし、すべての民族が独立国を成立させたわけではない。
たとえばインド、中国など多民族国家を形成している。強大国家が少数民族を包含するのが常である。世界はこのように1つの民族だけで国家を形成することは困難なことが多い。しばしば一つの居住地に多くの民族が住み、争いや紛争が起こる。人種と民族との区分はしばしば混合される。「スラブ人種」「ユダヤ人種」などと用いられるが、これらは誤った用法であり、「スラブ人」とは言語上の、「ユダヤ人」とは文化上の分類であり、生物学的な分類である「人種」とは何ら関係ない。旧約聖書に登場するノアやダビデなどのユダヤ人が現在のユダヤ系と血縁関係がないことは明白であろう。
たとえば、ヨーロッパにはゲルマン、ラテン、ギリシア、スラブ、ケルトなど様々な民族が住んでいる。ある民族の分布地域に異民族が孤立的に分布する場合を「民族島」という。たとえばスラブ民族圏に居住するルーマニア、ゲルマン民族圏に居住するフィン族やマジャール族は、モンゴル人種であるが、ヨーロッパ人の中に「民族島」を形成している。
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