津波「Tunami」はなぜ世界語になったのか?
地震や海底火山の噴火などによって生じる非常に波長の長い波を「津波(つなみ)」という。古くは「駿府記」(1611年)に「津浪」の語が見える。江戸時代、一般に「つなみ」と呼んでいたが、「海嘯(かいしょう)」という漢語を使用するほうが普通だった。だが小泉八雲の「生神様」(1897年)では「Tunami」と日本語で表記されている。タイフーンは日本語の台風によく似た発音であるが関係はない。むかし中国広東省で激しい風のことを大風(タイフン)といい、その後西洋に伝わり、typhoonという綴りが書かれるようになった。
日本語が世界語になったものには、芸者、フジヤマ、すし、すき焼き、テンプラ、火鉢、盆栽、柔道、カラテ、ニンジャ、カラオケ、歌舞伎、ハラキリなどがある。このように日本語そのままで世界中で通用する言葉がいくつかあるが、ほとんどが日本独特のものや日本生まれのものである。しかし津波は、日本独特のものではない。なぜ、TSUNAMIという言葉が世界に広まったのか。きっかけは、1941年4月1日に実際に起こった津波だった。アリューシャン列島で巨大な地震が起こり、その影響でハワイ列島が大規模な津波に襲われた。173人もの死者がでた。これを地元の新聞社がTSUNAMIという言葉を使った。それが一般に広がり、アメリカは地震警戒システムをつくった。この組織は1949年に、太平洋津波警報センター(Pacific Tsunami Warning Center)という名称になった。アメリカにおいて津波を意味する学術用語となり、その後、国際語化する要因になったといわれている。
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海嘯・・・海のささやき?ではない海嘯の「しょう」は本来どのような意味なのですかね?
あとで調べてみます。
投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2013年6月 3日 (月) 13時42分