冨山房と坂本嘉治馬
1938年3月23日、冨山房創業者、坂本嘉治馬死去。享年72歳。1866年、高知県宿毛村坂ノ下で生れる。18歳で上京し、郷土の先輩小野梓の東洋館に勤務。支配人格となったが、小野の没後、神田神保町に冨山房を創業。天野為之の「経営原論」を処女出版、以来、学術書・教科書などを出版。円本合戦のさなか1927年には、時流に超然としてわが道を行くの態度で「日本家庭大百科事彙」全4巻の刊行をはじめ多くの出版を成功させた。また、上田萬年・松井簡治「大日本国語辞典」全5巻、大槻文彦「大言界」、「国民百科大辞典」全12巻などで社名を高めた。小野梓の遺訓「益世報効」を社是とし、「良い本は高くとも売れる」という信念をもって生涯良書の出版事業に専念した。
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