田中姓の偉人(田中勝介、田中平八)
田中姓は日本人に多い名字である(ベスト第4位らしい)。ゆえに著名人も多く、田中河内介、田中久重、田中義一、田中角栄、田中王堂、田中丘隅、田中正造などなど。しかし近世になってから多く文献に見える姓である。江戸時代初期の京都の貿易商人に田中勝介(勝助)がいる。家康の命でメキシコにわたり、通商と鉱山技師の派遣を交渉したが失敗した。太平洋を横断した最初の日本人。
田中平八(1834-1884)は、天保5年7月11日、信州赤穂(長野県駒ヶ根市)に藤島卯兵衛の第三子として生まれた。生家は資産家であったが、米と綿相場で失敗し、没落。飯田の田中安兵衛の娘・田中はると結婚し、田中姓となる。慶応元年、横浜南仲通三丁目で、糸屋平八商店を開業し、両替商と生糸・茶などの輸出をはじめる。一時藤田小四郎らの筑波山挙兵に参加し、獄に在ったが、再び生糸・為替・洋銀・米相場で巨利を得る。明治の花柳界で遊び上手として、「糸屋の平八」「天下の糸平」の名は知られた。東大卒で美人で有名な高田万由子の祖先は田中平八と高田慎蔵にあたる。高田商会は日清・日露両戦役で武器の貿易で巨利を博した。
関係文献
日本偉人伝 獲麟野史 弘文館 1897
天下の糸平 放牛舎桃林述 今村次郎記 博文館 1899
天下の糸平 高橋淡水 日東社 1917
運・鈍・根で行く 野沢嘉哉 万里閣 1931
天下の糸平 糸平の祖先とその子孫 信濃郷土出版社 1967
田中平八の生涯 1985
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