ケンブリッジ大学図書館
ケンブリッジ大学は、言わずと知れた中世以来の古い歴史をもった大学である。ニュートンが力学を、ダーウィンが進化論を、マックスウェルが電磁気学を、ラザフォードが原子物理学を、創始したのはこの地である。科学研究ばかりではない。詩人のミルトン、バイロン、テニソン、ワーズワース、作家ではサッカレー、フォースター、歴史学のマコーレー、哲学ではフランシスコ・ベーコン、バートランド・ラッセル、経済学のケインズなどがいる。
ケンブリッジ大学の名門カレッジの一つ、セントジョーズ。その広大な敷地に流れるケム川に架かるバロック様式の橋レン・ブリッジ。校内にあるセントジョーンズ・カレッジの古い図書室が一般公開されている。木彫りで装飾された本棚には古い本がたくさん並んでいる。近づいて見ると、それらの本には年号が刻まれている。「1569年」さすが440年以上も経った本を手にして開くことは禁じられていた。寺院図書館の建築様式を取り入れたこの図書館は、その後の大学図書館にとって先駆的な存在となった。綜合図書館のほうは、学内のペーター・ハウスで運営を開始し、1593年から翌年にかけての改革によって、図書を鎖でつなぐことをやめた。17世紀から18世紀にのはじめにかけてのケンブリッジ大学図書館の発展はめざましく、イギリス屈指の図書館として、自他ともに認めるところとなった。
ケンブリッジ・セントジョーンズ・カレッジの図書室
1934年にロックフェラー財団に頼るかたちから、現在の総合図書館ができた。この図書館は法定納本制度適用の図書館として、イングランドの出版社がすべての印刷物を送る義務があり、現在500万冊を超える蔵書がある。大学全体は本館、薬学図書館、数理科学研究所のベティ&ゴードン・ムーア図書館、中央科学図書館、スクワイア法学図書館の5つの独立した図書館で構成されており、すべてをあわせると700万冊以上になる。
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