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2019年2月12日 (火)

「燃えよ剣」と「新選組」

   司馬遼太郎の「燃えよ剣」がまた映画化される。主演の土方歳三は岡田准一。新選組の醍醐味は群像劇なので他の配役も気になる。鈴木亮平、山田涼介、伊藤英明、柴咲コウが決定している。豪華キャストでも面白いとは限らない。フジテレビ昭和48年版は先の「新選組血風録」「燃えよ剣」(NET)と配役が重なることろもあるが(三作品とも栗塚旭=土方歳三)だいぶん先の二作品に比べて劣っている感じがする。当時トップスターの鶴田浩二なのに何故なのかを考えてみたい。もちろん鶴田ファンならこの「新選組」が一番というだろう。しかし「新選組血風録」「燃えよ剣」を見たファンにはどうにも不満の残る作品であった。最大の弱点は近藤勇(鶴田浩二)と土方歳三(栗塚旭)との人間関係の描きかたである。義兄弟の契りを交わした二人であるが、その親密さが「新選組」には見られない。むしろ鶴田は栗塚をあまり信用せずに単独行動にでることが多い。意見や思想の違いもはっきりしていて、一枚岩ではない。もちろん「燃えよ剣」は土方が主役で近藤(舟橋元)は土方の傀儡のようなところが、かえって面白かった。スター鶴田浩二によって一人だけの見せ場をつくることになり、集団時代劇としての面白さを半減した。思えば舟橋元もかっては映画スターであった。新東宝が倒産し、古巣東映に戻り、テレビ出演が多くなった。愛嬌ある朴訥さが武州多摩の田舎農家の出の雰囲気があった。(舟橋は糖尿病を患い、後半は痩せてきて悲壮感がでていた)鶴田浩二ではカッコ良すぎる近藤勇で、これでは任侠映画のようであった。また沖田総司=島田順司というイメージがつよく、有川博では健康的すぎる感じがする。映画「燃えよ剣」は岡田・鈴木の相性にかかっている。

 

 

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