神武天皇は徐福なり
始皇帝は元来、体が丈夫でなかったらしいが、とくに天下を統一し、最高権力を握るや、ますます長寿を祈念するようになった。ある方士がいうには、三神山に不老不死の仙人が住み、不死の薬があるという。三神山とは、蓬莱、方丈、瀛州の三山を指すという。三神山は渤海中にあり、そこに向かって進もうとすれども、風に船を遮られ、どうしてもたどり着けないところだという。また、三神山には珍しい人参があって、三千年に一回花が開き、実はさらに三千年後にできる。その花の香をかぐたけでも360年長生きができるとか、その実を食べると800年も長生きするとか、皇帝をたくみにだまして儲けるものも者もいた。徐福は、男女数千人を随行して、船も幾十艘で華々しく出帆したが、やはり、なしのつぶてであった。どこか東方海上の島を開拓し、大陸との間の商取引に励んだという説もある。また一説には、彼らの船が日本の紀伊の熊野浦に着き、長く日本にとどまったとある。和歌山県新宮駅のすぐ近くに徐福の墓がある。墓碑は紀州藩祖徳川頼宣がたてたもので、「秦徐福之墓」の碑銘は韓人李梅渓の筆である。写真は阿須賀神社。このほか、京都府与謝郡の新井崎にある新井崎大明神の祭神は徐福とされているし、佐賀市金立町にある金立神社も徐福を祀っている。そのほかに徐福にまつわるものに「神武天皇は徐福なり」とする中国の燕京大学教授の衛挺生博士(1890-1977)の説が知られている。(「日本神武開国新考」1950年)
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