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2019年1月 6日 (日)

広辞苑で何故「アーヴィング」が1ページ目にくるのか?

Eike_von_repgow_oldenburger_sachsen   百科事典などで「あ」の項目は多い。「a」は母音で発音しやすく、明るい感じがする。広辞苑をみると外国人名で最初に掲載されているのは「ホテル・ニューハンプシャー」の現代アメリカ文学を代表する作家ジョン・アーヴィングである。「スケッチ・ブック」のワシントン・アーヴィングより先なのはファースト・ネームを比べて「じ」のほうが「わ」よりも50音順で先だからだろう。

   だが他の事典をみると古代の悲劇詩人アイスキュロスが、先に載っている。これは排列規則の相違からくることである。広辞苑では長音符「ー」は、すぐ上の片仮名の母音を繰り返すものとみなして、その位置に排列する。世界大百科事典では「音びき(ー)」のあるものは、音びきのないものの後にする」とある。つまり長音符は無視して排列する。広辞苑では「アーヴィング」は「アアヴィング」と見なし、世界大百科事典では「アヴィング」と見なしているのである。

    世界大百科事典では、ドイツ最古の慣習法書「ザクセンシュピーゲル」の著者アイケ・フォン・レープゴー(画像、1180-1233)が最初にくる外国人名である。ブリタニカでは古代インドの数学者アアヤバータ(Aryabhata 476-550)がトップにくる。アアヤバータは円周率の近似値を3.1416とした。(ウィキペディアではアリヤバータと表記される)

   またほとんどの事典では外国人名においてファミリー・ネーム(日本の姓にあたる)の現地読みに近い片仮名表記の50音順で排列している。ちなみにファースト・ネームの50音順で排列すると、著名人では「アイザック・アシモフ」がトップにくる。

  もし詳細な外国人名事典を編集したら誰が一番最初にくるであろうか。古代エジプトのヒクソス時代の王アアウセルラー・アペピやアアフメス1世が有力候補である。テーベ西岸の貴族の墓から「アアシェフィトエムワセト」という被葬者の名前が確認できる。(「古代エジプト百科事典」原書房、612p)(Eike von Repgow)

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