トビアの晩
ドイツやスイスなどのヨーロッパ諸国の一部地域では、結婚初夜から2、3日、新婚夫婦の初夜の性交を禁じる風習があった。これは、「経外書(ラテン語のウルガータ版とギリシア語のアルドゥス・マヌティウス版から抜粋して再編した聖書)や「トビト記」などに登場する伝説のユダヤ人男性「トビト」に由来し、彼の娶ったサラという女性の前夫たちはいずれも結婚初夜に悪魔アスモデウスによって殺害されていたため、これを回避しようとした故事にならっている。つまり性を原罪視するキリスト教会の教義と結びついたのであり、教会法によって新婚初夜の交わりを禁じたのである。これをトビアの晩(Tobias night)という。
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