ラコニア号遭難事件
第二次世界大戦中、英国客船ラコニア号が南大西洋でドイツの潜水艦によって沈められ、約1100人が命を落としたという、痛ましい事件。1942年9月12日、イギリスの帰休兵、傷病兵、婦女子、イタリア兵の捕虜など約3000名を乗せ航行中のラコニア号は、U156に攻撃され、沈没した。Uボートの艦長ヴェルナー・ハルテンシュタイン(1908-1943)はイタリア兵捕虜が乗船していたことを知り、司令官に報告。これによりU506、U507、U459およびイタリアのカッペッリーニが救援に参加した。9月17日、現場を飛来したアメリカ軍の爆撃機がこれを発見。ハルテンシュタイン艦長は赤十字を甲板に表示したが、米軍機はUボートを攻撃した。これによりU156は損傷し、救命ボートは顛覆した。この事件後、デーニッツ提督はUボートによる救命作戦を禁止した。ハルテンシュタインは1943年3月8日にバルバトスの東沖でまたアメリカ軍機に襲撃されて乗員56名とともに戦死した。
近年この事件をもとに英国BBCはドラマ「ラコニア号 知られざる戦火の奇跡」(2010)を製作している。(参考:「ラコニア号遭難事件 世界ノンフィクション全集46」ローレンス・ペイヤール著) Werner Hartenstein
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