太陽のラテン音楽
ラテン音楽はあらゆる人々をとりこにしてしまう、なんともいえない不思議な魅力を持っています。なぜ、これほどまでにラテン音楽が愛されているのでしようか。ラテン音楽を一口に説明することはむずかしいことです。なぜなら、中南米はあまりにも広大であり、いくつもの国が、それぞれのお国ぶりの音楽を持っいるからです。ラテン・アメリカが世界史に登場するのは、15世紀末にコロンブスがこの新大陸を発見してからのことです。その頃、メキシコ以南には約1500万人のインディオが住んでいたと推定されています。名高いインカ帝国において、歌と踊りがつくられました。そして征服者であるスペイン人がはなやかなスペインの歌や踊りを新大陸にうえつけ、自分たちの民族楽器であるギターを普及させました。こうしてスペイン人とインディオの音楽がまざり合い、初めてラテン音楽が出来上がりました。こうしたラテン音楽を、さまざまなリズムにのせてはなやかにしたのは、アフリカから奴隷として輸入された黒人たちでした。彼らは鋭いリズム感覚の持ち主で、数多くのリズム楽器を工夫し、多彩なリズムを発展させました。ラテン音楽の中でもっとも早くから世界に知られたのは、19世紀の中頃、キューバで大流行したハバネラです。これはスペイン系の優雅な舞曲で、黒人のリズムではありません。その後、黒人のリズムは、すこしずつラテン音楽の底にしみこんでいき、1930年代になって、ルンバやコンガなどの黒人系舞曲が、社交ダンスにとり入れられるようになりました。第一次大戦後、ラテン音楽がパリを初めヨーロッパで受け入れられるようになりました。「南京豆売り」(1927年)はリタ・モンタネルが歌い、スタン・ケントン楽団、ザビア・クガートやペレス・プラードらがカバーしてラテン音楽のスタンダードになりました。1950年代末にはブラジルのサンバからボサノバが生まれました。1960年代になると「ラテン・ビアノの恋人」と呼ばれたペペ・ハラミジョがロマンチックなムード音楽で評判になった。
さてラテン音楽を分類すると、メキシコの音楽、キューバを中心としたルンバ、ブラジルのボサノバ、アルゼンチンのタンゴ。アンデス・アルゼンチン・パラグアイ・チリなど諸国の民族音楽をポピュラー化したフォルクローレなどがあります。
代表的なラテン音楽
べサメ・ムーチョ トリオ・ロス・パンチョス
ラ・クンパルシータ ファン・ダリエンソ楽団
マンボNo.5 ペレス・プラード
ブラジルの水彩画 ペドロ・ミランダ
パリのカナロ フランシスコ・カナロ
カプリ海 ザビア・クガート
そよ風と私 スタンリー・ブラック楽団
イパネマの娘 アストラッド・ジルベルト
アマポーラ ジミー・ドーシー楽団
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