夏目漱石「明暗」あらすじ
親族の縁故で就職口を得た津田は、結婚後の生計も実家からの仕送りに頼っている。ところがそれを返済するどころか、自分たちの浪費を改めない態度に腹を立てた津田の実父が金銭的援助を止めてしまう。このことが妹のお秀や上司の妻の吉川夫人などの家庭の女たちに津田夫婦への個人的な干渉を許す大義名分となる。親族間が金銭や猜疑心によって支えられている逆接を、時にコミカルに時にシニカルに描いている。未完の長編小説だが、まるで昼ドラを観ているかのように読めてしまう。(伊藤かおり「漱石作品案内」)
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