世界すべての図書の数
あたり前の話だが、ひとりの人間が世界中の本のすべてを読むことはできない。よい本にかぎっても無理だ。もし世の中に存在するすべての本を集めることができたとしても、膨大な本の数に圧倒されてパニックに陥るであろう。世界中に図書の数はいくらあるのだろうか?世界最古の文学といわれる紀元前2000年頃の「ギルガメシュ叙事詩」からトマ・ピケティの「21世紀の資本論」まで、いわゆる図書の総タイトル数である。Googleが世界中の本の数を調査したところ、150以上の機関からメタデータを集め、その10億件のレコードから、重複レコードや非図書・雑誌のレコードを除いていくと、2010年の時点で1億2986万4880となった。しかしこの数字にどこまで信憑性があるのか分からない。本は紙の発明以前から、甲骨、木や竹、絹布や羊皮紙などに書かれていた。孔子が編纂した古典は現在まで生き続けているものの、すでに遺失した図書も多い。書物の伝播と散逸を正確に把握している数値なのであろうか。ケネス・ラトゥーレットは、17・18世紀の中国の書物の数は、世界の他の国々の書物の総数よりも多いといっている。西洋の印刷術の発明により、とりわけドイツでの書物生産量が増えた。我が国の総数は国書総目録や国立国会図書館の蔵書数から重複分を差し引けば概数はでてくるが、私家本など国立国会図書館に所蔵していない本もかなりあり、すべての図書タイトル数を知るのは難しい作業である。
試みに世界の主な国立図書館の蔵書数を調べる。
アメリカ議会図書館 3100万
中国国家図書館 2778万
ドイツ国立図書館 2690万
ロシア国立図書館 1780万
大英図書館 1331万
フランス国立図書館 1300万
国立国会図書館 989万
6館の合計が1億3968万冊。ほかにアジア・アフリカ諸国の図書を加えると、実際はGoogleの調査を大きく上回るものと考えられる。
中国国家図書館の前身は1909年創立の京師図書館である。その後、数次にわたる名称、所在地の変遷を経て、1987年に現在の新館館舎が完成し、1998年、館名を長く親しまれた北京図書館から中国国家図書館に改め、現在に至っている
世界の図書館の単語を調べると、ライブラリーよりもビブリオテークのほうが多い。これはラテン語ビブリオテーカ bibliothecaに由来するものである。
英語 library ライブラリー
ドイツ語 Bibliothek ビブリオテーク
フランス語 bibliotheque ビブリオテーク
イタリア語 biblioteca ビブリオテーカ
ポルトガル・スペイン語 biblioteca ビブリオテーカ
スウェーデン語・デンマーク語 bibliotek ビブリオテーク
チェコ語 knihovna クニホヴナ
フィンランド語 Kirjasto キリヤスト
ギリシャ語 ヴィヴリオテイキ
ロシア語 ビブリオチェーカ
韓国語 トソグァン
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