ハイライトよ永遠に
男なら夢を見る いつも遠いとこを
煙草屋のおばあちゃん お世話になりました
お金がない時も あとでいいよと言って
ハイライトをくれた お世話になりました
井上順が歌っていた「お世話になりました」(作詞・山上路夫、作曲・筒美京平)。むかしの歌謡曲は、誰でもが口ずさめて、歌いやすいのがいい。そして「ハイライト」というタバコの銘柄に懐かしさをおぼえる。ケペルはタバコを吸わない。かつて成人したとき、ライターを買って、タバコも吸っていた時期はある。ハイライトだった。セブンスターは吸ったことはない。今年1月に81歳で死去した夏木陽介のハイライトの宣伝ポスター(昭和36年)を見ると、まさにハイライトは高度経済成長を支える企業戦士のベスト・パートナーだった。昭和35年6月20日、発売当時の値段が70円、昭和43年に80円で、現在も420円で販売されている。ところが、タバコ1箱の値段を1000円に値上げしようとする動きがある。実に嫌な話だ。税収が足りないから、タバコというたった一種類の嗜好品に税収を補わせる案は、なるほどタバコを吸わない人たちからは大歓迎されるにきまっている。そして「タバコは有害である」「タバコは健康に悪い」という「健康の時代」の大合唱によって、数百年の歴史ある嗜好文化を学ぶことなく、全体を一つの方向に決めつけてしまうことに危険性を感じてしまう。なぜ人は、たばこを吸うのか。精神分析学の創始者であるフロイトによると、口唇要求(幼児の指しゃぶり)のあらわれであるという。喫煙行為がいつしか社会悪に貶められてしまったことに、むしろ現代の病巣をみるような気がする。
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