上方の浮世絵
歌麿、写楽、北斎、広重。有名な浮世絵の多くは江戸で描かれ出版されたもので、浮世絵といえば江戸というイメージがあるが、じつは京都や大坂など上方にも浮世絵はあって、大勢の浮世絵師が活躍していたのだ。今ではその名前はほとんど知られていないが、初期の流光斎如圭や松好斎半兵衛、西川祐信、幕末の柳斎重春、長谷川貞信、一養亭芳滝といった名匠がいた。江戸の浮世絵は美人画、役者絵、相撲絵、風景画など題材が豊富であるが、上方の浮世絵の九割近くが役者絵である。役者絵を楽しむには、描かれている芝居や役柄、役者など、その背景についての知識が必要になってくる。その特色ゆえに上方浮世絵は、後に浮世絵を鑑賞する人々に受け入れられることなく、忘れ去られて行ったと考えられる。
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