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2018年8月 1日 (水)

始皇帝と万里の長城及び兵馬俑坑文献目録

Imageca9gxuul    中国を統一した秦王政は、王の称号をやめて皇帝と称した。彼が秦の始皇帝である。始皇帝は匈奴の侵入にそなえるため、戦国時代に北辺の燕・趙などが築いていた長城修復・連結した。いわゆる万里の長城といわれるものであるが、現在の長城は明代のもので、始皇帝の長城は版築とよばれた工法で、現在よりもはるか北方に位置し、煉瓦と石で築かれた明代の長城に比べて低い城壁であった。

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 龍文空心塼    陝西省咸陽市秦咸陽宮1号宮殿遺蹟出土

 始皇帝は貴族制度を打破し、法家思想を採用し、中央集権国家の確立に努めた。

皇帝制度 始皇帝が「王」という称号を改めて「皇帝」を名乗り始めた。煌々と輝く帝、すなわち「北極星」を意味する。(NHKスペシャル「中華文明の謎」) 三皇五帝から「皇帝」と称したとする説は誤り。一人称を「朕」といい、命令を「制詔」といい、墓を「陵」、居処を「宮」という。

郡県制度 全国を36郡に分け、それぞれの郡に長官として守、副長官として丞、軍の指揮官として尉、監察官として監(御史)などの官吏が中央から派遣される。この36郡は、その後さらに新領土が加わったことや、大郡を分けることによって増加し、48郡にされたといわれる。

思想統一 法家李斯の献策で、焚書坑儒を断行。

貨幣の統一 半両銭に統一。1個の重さは半両(1両は24銖、半両は12銖、約8g) 中央に四角の穴のある銅銭は基本形となった。

文字の統一 篆書には大篆と小篆の二種があり、前者は籀文ともいわれ、石鼓文はこの字で書かれている。李斯によって新たに制定されたのが小篆である。

度量衡の統一 秦量と秦権

交通路の整備 車軌を6尺(1.4m)に統一し、天子や貴人の通る馳道を巾50歩(70m)とする。また駅や亭を置き伝送に整備をおこなった。

対外政策 北方に将軍蒙恬を派遣し、匈奴を討伐。さらに旧六国の長城を補修して、東は遼東から西は臨洮までの万里の長城を築いた。南方では越を攻め、安南を平定し、桂林・象・南海の3郡を設置。

optin なぜ正月は1月か?

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    一年の最初の月を正月というのは、当たり前と思われるでしょうが、国土の広い中国では始皇帝の統一以前、各地でそれぞれの暦が存在していました。また時代によっても異なります。だいたい古代中国の暦は、夏暦、殷暦、周暦を三正といって、それぞれ歳首(としはじめ)、朔日(つきのはじめ)など違います。秦と楚とは3カ月ズレています。最初、秦は南部の楚を統治するにあたって旧習俗を許容する柔軟な姿勢で臨んでいましたが、やがて始皇帝の全国統一で当然「暦の取り込み」が行われました。中国では歳首は「夏正」のごとく、立春をとっていますが、「秦正」は10月が歳首です。漢代になって、前103年以後はおおむね夏正が用いられました。唐の則天武后のとき「周正」を用いて冬至が1年のはじまりとなった例外もあります。

 

参考文献
長城雄游記 大鳥圭介 丸善 1894
「秦始皇帝」 桑原隲蔵 新日本3-1  1913
「万里の長城」 石田幹之助 教育画法3-1  1916
長城の彼方へ 後藤朝太郎 大阪屋号書店 1922
万里の長城 上・下 中野江漢 支那風物研究会 1923
「支那古代の長城に就いて」 橋本増吉 史学6-1  1927
中国長城沿革考 王国良編 商務印書館 1933
「秦の始皇帝」 石川三四郎 改造16-4  1934
内蒙古・長城地帯 江上波夫・水野清一 東亜考古学会 1935
「始皇の儒家迫害に関するニ三の考察」 大家伴鹿 大東文化16  1937
「秦の始皇」 池田孝 満蒙18年3号 1937
秦始皇帝伝 馬元材 1937
「始皇帝」 加藤繁  「支那学雑草」所収 生活社 1944
万里の長城 植村清二 創元社 1944
「始皇帝その他」 日本叢書 加藤繁 生活社 1946
「長城のまもり」藤枝晃 ユーラシア学会研究報告2  1955.07
秦始皇 楊寛 上海人民出版社 1956
「長城余話」 石橋丑雄 歴史と地理13  1957
長城史話 中国歴史小双書 羅哲門 北京・中華書局 1963
万里の長城 大世界史3 植村清二 文芸春秋 1967
「始皇帝に関する一考察」彼の内面的要素と大秦帝国の崩壊との関連性 武生龍真 密教文化96  1971
万里の長城 世界史研究双書13  青木富太郎 近藤出版社 1972
秦始皇 洪世滌 上海人民出版社 1972
秦皇長城考 黄麟書 九龍・造陽文学社 1972
「万里の長城・その盛衰小史」小倉芳彦 土木学会誌57(7) 1972.06
「独裁者の登場」秦の始皇帝 和田武司「人物中国志1」所収 1974
「始皇帝と儒家」 山本巌 宇都宮大学教育学部紀要1部26  1976
万里の長城 攻防戦史 渡辺龍策 秀英書房 1978
万里の長城 中国小史 中公文庫 植村清二 中央公論社 1979
秦始皇陵与兵馬俑 無戈 西安・陝西人民出版社 1982
長城 北京史地双書 羅哲文 北京出版社 1982
万里の長城 ジャック・ジュネ、ディック・ウィルソン J.P.ドレージュ、ユベール・ドラエほか 田島淳訳 河出書房新社 1984
秦始皇帝伝 馬非百 江蘇古籍出版社 1985
秦始皇帝 新始皇兵馬俑博物館双書 呉梓林・郭興文 西安・西北大学出版社 1986
「秦帝国の形成と地域」(始皇帝の虚像を超えて) 鶴間和幸 歴史と地理372  1986
萬里の長城 サンデー毎日別冊写真集 幻の西端を求めて 矢口篤雄 毎日新聞社 1991
万里長城の歌 日本の詩歌2 土井晩翠 中央公論社
秦帝国の領土経営:雲夢龍崗秦簡と始皇帝の禁苑 馬彪 京都大学学術出版会 2013
秦の始皇帝の兵馬俑 二十世紀における考古学史上の最も偉大な発見 人民中国出版社 1999
門秦の始皇帝と兵馬俑 洋泉社 2015
人間・始皇帝 鶴間和幸 岩波書店 2015
史記秦・漢史の研究 藤田勝久 汲古書院 2016
始皇帝の永遠・天下一統 小前亮 講談社 2016
秦の始皇帝と中国古代史 宝島社 2016

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