昔から命懸けで橋を架けた話は沢山ある。しかし橋を落すために命を賭けたとなるとあまり例を聞かない。ボンのやや上流のライン河に架かるレマゲンとエルペルとを結ぶルーデンドルフ鉄道橋で、片や橋を落すために(ドイツ軍)、片や落とさせないために(連合軍)、敵味方が死力を尽くして戦った。1945年3月、第二次世界大戦末期のことである。結局、連合軍が勝利し、橋は爆破されずに残った。レマゲン鉄橋がラインを渡る唯一破壊されずに残っていた橋だった。だが戦いの10日後には橋は崩壊し、現在も再建されずに橋桁だけが残る。
映画「レマゲン鉄橋」(ジョン・ギラーミン監督)はレマゲン鉄橋をめぐる死闘を描いている。最後の橋レマゲンをめざしてバーンズ少佐(ブラッドフォード・ディルマン)指揮の連合軍はライン左岸に進んだ。その小隊のハートマン中尉(ジョージ・シーガル)、エンジェル軍曹(ベン・ギャザラ)らは橋から爆薬を除去し、橋を突破する作戦を命ぜられる。一方、クルーガー少佐(ロバート・ヴォーン)は橋の爆破を命じる。レマゲンを見下ろす丘で両軍の激しい攻防戦が繰り広げられる。地味なキャスティングではあるが、テーマが明確であり、戦闘シーンの臨場感がある。(Ludendorff Bruecke,Remagen)
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