花営三代記
室町幕府の日記である。「武家日記」あるいは「室町記」ともいう。一巻。著者はわからないが、おそらく室町幕府の右筆であろうと思われる。題名の、「花営」は三代将軍足利義満の室町の「花の御所」からきており、将軍義満・義持・義量の三代の記事を収めているので、「三代記」と称する。ただし、現在伝えられているのは、貞治三年(1381)から康暦三年(1381)までの15年間と、応永28年(1421)から応永32年(1425)までの5年間の記事のみである。全体として記事は簡単だが、幕府に関する記事はおおむね正確で、とくに貞治~康暦の時期においては、将軍をはじめ幕府重臣の動静、幕府の法令、評定始・内談始・弓場始などの幕府諸行事はもちろん、応安元年6月の有名な半済令や、応安4年11月の諸国段銭、応安5年7月の日吉社神輿造替要脚段銭などの施行については、拠らざるをえない重要な記事を収めている。本書は「群書類従」雑部に収められている。
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