米びつ事件
ハン・ソッキュ(韓石圭)は映画「八月のクリスマス」「シュリ」など韓国の国民的名優である。ドラマ「秘密の扉」では朝鮮王朝21代英祖(ヨンジョ)を演じている。ハン・ソッキュは物腰の柔らかい知的な役から血も涙もない残忍非道な極悪人までさまざまな役をこなす。今回の英祖は暴虐な王である。自身の息子である荘献世子を殺す。老論派は、父子の対立に目をつけ、世子を讒訴。ソンは平民にも科挙受験の機会を与えようとするが、王が激怒し結果、世子の精神状態が不安定になる。英祖は世子を米びつに閉じ込めて餓死させてしまう。これが朝鮮王朝史上有名な1762年の「米びつ事件」(壬牛士禍)。その後、厳しい祖父・英祖の教育に耐え、名君となったのが孫のイ・サン(世祖)である。タイトルの「秘密の扉」とは、英祖が息子ソンの地下書庫にある危険な書物が集められた書斎(ソジェ)を作ったことを知り、謀反を疑うことを意味する。「米びつ事件」は近年韓国映画でも取り上げられ、「王の運命」(2015年)やドラマでは「仮面の王イ・ソン」がある。
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