君の名は氏家真知子
「恋というもの知りたくて あの娘の名まえを 呼んでみたら 俺の心のかたすみを 冷たい夜風が吹きぬけた」(作詞・浜口庫之助)にしきのあきらの「もう恋なのか」は何故かこころにしみる歌だ。女の名前には何か魔法のような響きがある。歌謡曲にも女の名がつくとヒットする、という時代があった。フランク永井の「チャコ」(夜霧に消えたチャコ)、「霧子」(霧子のタンゴ)、神戸一郎「ひとみちゃん」、橋幸夫の「江梨子」、小林旭「しのぶ」「なぎさ」(昔の名前で出ています)「純子」、ダーツ「ケメ子の歌」、古井戸「さなえちゃん」、長渕剛の「順子」、ばんばひろふみ「SACHIKO」、ニックニューサー「サチコ」など名曲が多い。1979年のサザンオールスターズの「いとしのエリー」が女名前にまつわる最大のヒットソングか。
文学の世界でも堀辰雄の「菜穂子」、野上弥生子の「真知子」など印象深い作品がある。おそらく菊田一夫は「君の名は」のヒロイン氏家真知子の名を、野上の小説「真知子」から借用したのではないだろうか。
小説家はヒロインの名前を考えることにさぞかし苦労するだろう。松本清張の小説に「霧の旗」というのがある。ヒロイン柳田桐子は弁護士に異常ともいえる復讐をする。「桐子(キリコ)」とはインパクトのある名である。やはり当時流行った「霧子のタンゴ」から借用して、「キリコ」を漢字変換したのではないだろうか。タレントの磯野貴理子(現在は磯野貴理)は、二人の姉がいて、三人目だったので「女はこれっきりだ」と「貴理子」になったというが、これでは笑い話になってしまうが。
「菜穂子」という名にはステキな響きがある。むかし久保菜穂子という美人女優がいたが、現在はあまり使われない名のようだ。女優の戸田菜穂も当世風に「子」を除いているが、「戸田菜穂子」のほうが魅力的な感じがする。かつてのアイドル歌手の「諸岡菜穂子」は、かなりの努力家なのか現在、「諸岡なほ子」として、「世界ふしぎ発見」のレポーターなどで活躍しているのがうれしい。
「しのぶ」という名も好きだが、「大竹しのぶ」は、演技力も素晴らしいものがあったが「しのぶ」という名で人気がでたのではないだろうか。名から受ける貧乏くささ、田舎くささがいい。やはり「青春の門」の「織江」のイメージは強烈である。もし「大竹しのぶ」が「大竹真知子」や「大竹菜穂子」だと、近代的で知的な女性というイメージとなり、売れなかっただろう。
芸名には変な名も多い。タラコ(「ちびまる子ちゃん」の声の人)、タガメ(田村たがめ)、おかめ(紅屋おかめ・歌手)、ケメ子(松平ケメ子・歌手)、ピン子(泉ピン子・女優)、パー子(林家パー子・漫才師)などなど。吉永小百合という名前は本名だそうだが、もし芸名が「吉永ケメ子」や「吉永ピン子」であったなら、いかに彼女の美貌をもってしても女優として売れなかっただろう。名前にはその人の運命を左右するほどの魔力のようなものが潜んでいる。
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投稿: 偽物時計 | 2021年12月29日 (水) 08時58分