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2018年2月14日 (水)

イエス・キリストの映画

   プレミアム・シネマでピエル・パオロ・パゾリーニ監督の「奇跡の丘」(1964)を観る。名高い作品ながら私は初見である。これまでハリウッドの「偉大な生涯の物語」などキリスト映画は数本みたが、「奇跡の丘」は最高である。無名俳優をつかい衣裳やセットはシンプルにしてギリシア古典劇をみるような無表情なドキュメント風タッチでヨハネによる福音書の物語が進行する。無神論者のパゾリーニ監督だからむしろ製作できたのであろう。抽象的でも難解な代物でもなく、聖書の名句が一語一語よく表現されており、理解しやすい。これまでキリストを演じた俳優といえば、「偉大な生涯の物語」のマックス・フォン・シドー、「キング・オブ・キングス」のジェフリー・ハンターが知られる。「奇跡の丘」でキリストを演じた青年エンリケ・イラソキは当時スペインの学生で素人。現在74歳で存中である。

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