古代エジプトの「生類憐れみの令」
人間と最も身近な動物といえば、まず「ネコ」である。2月22日は「猫の日」。野生の猫は、5000年も昔に、最初は穀物をネズミの害から防ぐ目的などで飼い馴らされたらしいが、のちにこまやかな情愛を注がれたペットとしての家猫が現れる。
大河ドラマ「平清盛」には白河法皇が仏教の教理に従って殺生を禁じているシーンがある。「生類憐れみの令」のような禁令は徳川綱吉が初めてではなかった。古代エジプトにも、猫を殺すと死刑にされるという時代があったそうだ。猫の頭をもった女神バステトBastedがいる。ブバスティスでは猫のミイラが多数出土し、古代エジプトでは猫を家畜化する一方で、神として崇拝するようになったことが明らかになっている。ヘロドトスによれば、「猫が死ねば、家人は悲しみを表明するために眉を剃り落とし、死体をミイラにして手厚く葬る。・・・・火事の際には、真っ先に猫を助けなければならない」と記している。こうした猫崇拝が盛んだったのは紀元前16世紀から紀元前11世紀の新王国時代や紀元前6世紀のときが最盛期で、前525年、ペルシアのカンビュセス2世は最前列に猫を配してエジプトを攻め、矢を放つことができないエジプト軍は滅ぼされてしまったという。(本当の話とは信じ難いが)西洋の諺に「A cat has nine lives.」(猫には九生ある)とある。この起源は古代エジプトで、猫は9つの魂を持ち、9度生まれ変わることができると信じられている。当時流行のライオン狩りなどのスポーツも不信心な行いとしてみられ、バステトの祭りの期間中は禁じられていた。
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