宗教的タブーあれこれ
タブー(taboo)という言葉は、今日「禁忌」という一般的概念として用いられているが、元来ポリネシア語で、ta(印をつける)とpu(強さを示す副詞)が結合して、「はっきり印をつけられた」とか「くぎられる」を意味する言葉であった。そこから派生的に「神聖」とか「禁止される」という概念が生まれたのは、18世紀にジェームス・クック(1728-1779)が西洋人として初めてこの語を記述し、ビクトリア朝時代のイギリス社会に輸入されるようになった。
キリスト教とイスラームで宗教的タブーの大きな相違点は禁酒への考え方である。一般的にキリスト教では大酒は禁じているものの、聖書時代からブドウ酒などは容認している。これに対してイスラームではタブーの中でもとくに厳格に、ハムル(アルコール度の高い蒸留酒、ブドウ酒など)を禁じている。これは、イスラム圏の大部分はブドウが取れず、手に入れるには異教徒から高価を払い輸入しなければならなかった、という経済的な理由があったからだと考えられている。
(James Cook)
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