東京のえくぼ
上原謙主演「東京のえくぼ」(昭和27年)は「ローマの休日」の逆バージョン。つまり大会社の社長がめくら判の毎日に嫌気がさして、秘書(丹阿弥谷津子)の手引きで会社をとびだし、子会社の缶詰工場で働くというストーリー。こちらのほうは、秘書へ「社長秘書事務係を免じ、社長妻を任ず」と辞令を渡しハッピーエンド。留置所へ入ったり、髭を剃ったり、ラーメン屋や焼酎を飲んだり、「ローマの休日」に対抗するようなシーンが満載。作品で脚本家・小国英雄(1906-1996)のオリジナルか?これらのほうがすこし古いだが、ほぼ同時期。ドルトン・トランボと小国英雄は交際があったのだろうか。この時期の小国は名作を書きまくっている。
昭和27年7月15日「東京のえくぼ」
昭和27年10月9日「生きる」
昭和27年10月23日「二人の瞳」
昭和28年3月5日「煙突の見える場所」
「煙突の見える場所」は椎名麟三の小説であるが、小国は椎名と共にシナリオを完成させた。
小国英雄はおそらく日本一の脚本家で幅の広さではナンバーワンだろう。「宇宙人東京に現わる」(1959)というSFもパイラ星人が善人だという発想や核問題などなかなか社会問題をうまくとりこんでいてアーカイブスとして面白い。
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