木枯らしの果てはありけり海の音
東京で木枯らし1号が吹いたというニュース。昨年より10日早い。「木枯らしの果てはありけり海の音」(池水言水) きびしい冬の到来を告げる木枯らしの行く果てに、遠い海鳴りの音を聴き取った。野山を吹き、甍を吹き、木々の葉を落としながら吹きすさんだ木枯らしは、何も吹くもののない海上に出て、海の音と化したというのだ。池西言水(1650-1722)は芭蕉とも交友のあった人で、この句は評判を取って「木枯らしの言水」といわれた。京都の繁華街、新京極通の六角寄りの東側に和泉式部の供養塔で知られる誠心院がある。言水の句碑もひっそりと建っている。山口誓子に「海に出て木枯帰るところなし」という句があり、言水の句を本歌取りにしたそうである。
« 彼氏にするならO型か!? | トップページ | ソクラテスの妻 »
「日本文学」カテゴリの記事
- 畑正憲と大江健三郎(2023.04.07)
- 青々忌(2024.01.09)
- 地味にスゴイ、室生犀星(2022.12.29)
- 旅途(2023.02.02)
- 太宰治の名言(2022.09.05)
コメント