目の愛護デー
本日は「目の愛護デー」。むかしマリリン・モンローが映画「お熱いのがお好き」(1959年)で「メガネをかけた男性が好き」というセリフがある。監督のビリー・ワイルダーが眼鏡なのでモンローに言わせたのだろうが、当時のアメリカで眼鏡のロックスターが人気だった。ギターをもって眼鏡にスーツという違和感のあるスタイル。伝説のロックスター、バディー・ホリー(画像、1936-1959)だ。1959年2月3日、ミネソタ州ムーアヘッドに向かう軽飛行機は、雪で進路を見失い、アイオワのトウモロコシ畑に墜落した。バディー(22歳)とともにDJビッグ・ボッパーことジェーブ・リチャードソン(24歳)、「ラ・バンバ」のリッチー・バレンス(17歳)それに運転手の4人が即死した。バディーはエルビス・プレスリーのように日本で有名になることはなかったが、坂本九の独特の歌唱法はバディをまねたものである。バディーの死で日本に眼鏡ブームは起こらなかった。GSブームの中でザ・タイガースの岸部シローとムード歌謡の内山田洋とクールファイブのメンバーの一人に眼鏡がいる程度だった。現在もジャニーズ事務所で眼鏡をしているタレントは皆無だ。男性スターに眼鏡はいないが、女優となるとそれ以上に少ない。ナナ・ムスクーリとアンジェラ・アキくらい。松坂慶子や山口百恵は近眼だというが、スクリーンでメガネをかけた姿を見ることはなかった。コンタクトレンズが普及しなかった時代、メガネをかけるか脱ぐかは深刻な問題だった。女流作家の円地文子の随筆に「めがねの悲しみ」(群像、昭和35年5月号)がある。「わたしは女学校を卒業しないで、一年早く退学してしまった。そのころの学校の方針みたいなものが気にくわなかったのと、小説や芝居に夢中になっていて、学校の机に毎日向かい合うのが、やだったなまけ者根性とが混じり合った退学だったのは事実だが、そのほかにもう一つ、めがねをかけた顔で毎日教室へ出なければならないことがいやだったのも、たしかに理由の一つであったことは、今まで白状したことがなかった。さすがにばかばかしくて親にも話したことはなかったが、言い換えれば、わたしは、恐ろしく見栄坊で、容貌に対する自卑と自尊とが度しがたくこんがらかった若い女であったということである」女性にとって容貌の美醜は、重要事である。でも眼鏡の円地文子さんが素敵だと思えるようになってきた。(10月10日)
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