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2017年8月25日 (金)

室生犀星と金沢

   徳田秋聲、泉鏡花と並び、金沢三文豪の一人である室生犀星(1889-1962)は、明治22年石川県金沢市に生まれた。明治35年5月、13歳のとき金沢高等小学校3年で中途退学、以後、学歴はない。金沢地方裁判所の給仕をしながら、役所の上司である川越風骨に俳句の指導をうけ、文学書に親しみ始める。15歳のときに、筆名を国分犀東にならい、犀川の西に住むので犀西とし犀星の字をあてる。「みくに新聞」「石川新聞」を退社し、明治43年、赤倉錦風を頼って上京する。貧困と放浪の生活の中で萩原朔太郎、山村暮鳥らと知り合い試作に励む。大正7年、『愛の詩集』『抒情小曲集』を自費出版。破格の文語を自由に駆使した抒情詩は強い感動を与え、才能にめぐまれた詩人として知られるに至る。

  ふるさとは

ふるさとは遠きにありて思ふもの

そして悲しくうたふもの

よしや

うらぶれて異土の乞食となるとても

帰るところにあるまじや

ひとり都のゆふぐれに

ふるさとおもひ涙ぐむ

そのこころもて

遠きみやこにかへらばや

遠きみやこにかへらばや

  (『抒情小曲集』)

このほか昭和期には「幼年時代」「あにいもうと」「杏っ子」などの名作小説を発表、小説家としても認められた。近年、晩年に発表された「蜜のあわれ」が映画化され犀星文学への高い再評価がなされている。

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