カピチュレーション
オスマン帝国のスレイマン1世が、フランスに対して認めた通商特権のこと。キャピチュレーションとも表記する。フランスのフランソワ1世は、ヨーロッパでの覇権を神聖ローマ帝国のカール5世と争い、1525年のパヴィアの戦いでは手痛い敗北を喫していた。そこでフランソワ1世は、オスマン帝国と手を結ぶことを計画し、スレイマン1世もカール5世の背後のフランソワ1世と結ぶことを有利と考え、1535年、両者の連携が成立した。フランスはオスマン帝国に協力する見返りとして、オスマン帝国内の諸都市(エジプトを含む)での通商上の特権(カピチュレーション)を認められた。その中には、領事裁判権という形で治外法権を認めていた。しかし18世紀になると列強の経済的進出の口実として利用されるようになり、オスマン帝国の弱体化、主権喪失の状態へと進むこととなった。capitulation
「世界史」カテゴリの記事
- 李氏朝鮮はなぜ元号がなかったのか?(2023.05.24)
- ハインリヒ5世(2023.05.23)
- 劉裕と陶淵明(2023.05.22)
- ポーランドの英雄ヤン・ソビエスキ、国王に即位する(2023.05.21)
- ゴンブルサ事件(2023.02.18)
コメント