千里の道も一歩から
ドラマ「過保護のカホコ」。過保護のお母さんが娘に就活の指導をする場面。面接であなたの座右の銘はなんですか、と聞かれた。母は「私だったら、千里の道も一歩から」と答える、という。出典は中国古典「老子」で出典が明らかである。しかし数ある名言、格言のなかには誰の言葉か、由来は明らかでなく、いつしか世間に広まり、座右の銘として重みのある言葉になったものも多い。「継続は力なり」「失敗は成功のもと」などの名言は出典・由来について正確にはわからない。徳川家康の有名な遺訓「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし、急ぐべからず」は後世の偽作といわれている。リンカーン大統領の「人間は40歳を越すと、だれでも自分の顔に責任をもたねばならぬ」も疑わしい。「今では失われて聞くことのできない言葉でも必ず生きているものです。それに気がつけば現代の問題の解決の緒口になるのです」は草柳大蔵によればルソーの言葉としているが、出所不明の名言の一つ。よく芸能人などが好きな名言の一つとしてあげる、「負けて腐るな、勝って驕るな」も誰とはなしに広まった言葉である。
An apple a day will keeps the doctor away. (1日1個のリンゴは医者いらず) と言われるが、誰の言葉はわからなかった。古くイギリスのウェールズ地方に伝わることわざだが、1904年に、ミズーリ州の果物研究家J・T・スティンソンがセントルイスで開催された万国博覧会で言ってから、広まったといわれる。(John T. Stinson)
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