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2017年7月19日 (水)

メキシコ美人伝説

 サッカーの本田圭佑がメキシコのパチューカへ移籍。メキシコというと何を連想するだろうか。ラテン音楽ではトリオ・ロス・パンチョスだ。それと「美人の国」。マリンチェというインディオの娘は、絶世の美人だった。メキシコに侵入した最初のスペイン人首領エルナン・コルテスも、彼女の美しさにコロリと参ってしまった。こうして「メキシコは美人の国」という伝説は誕生した。アメリカのメキシコ観光ポスターなどを見ると異国的なメキシコ美人が微笑んでいるものが多い。それはラテン音楽に関してもいえる。

   「ベサメ・ムーチョ」というメキシコのボレロ風の曲は1941年にコンスエロ・ベラスケス(1924-2005)が作曲し、スウィング時代のアメリカでポピュラーとなった。「ベサメ・ムーチョ」(もっとキッスして)という情熱的な言葉は、日常茶飯事のように使われている。しかも、男性だけではなく、女性もよく使うという。この「ベサメ・ムーチョ」を作曲したベラスケスは当時17歳の可憐なピアニストだった。そして16年後に「カチート」(1957)を作曲する。ナット・キング・コールで世界的なヒット曲となった。日本でもフランク永井が「東京カチート」を歌いヒットした。多くの日本人は「カチート」を女性の名前か娘さんをイメージしていたものだ。これは「メキシコ美人伝説」のためである。ところが本来は「かけら」「分身」という意味で、転じて「自分の子ども」「ちびっ子さん」という意味である。それも男性名詞なので男の子。女の子ならば「カチータ」である。それでもラテン音楽、情熱的、メキシコ、美人という連想は消えそうにない。

カチート 私のカチート

神さまが 私にくれた天のきれはし

おまえは私の命だ

おまえを見つめていると

しあわせが 私の心にみちあふれる

なぜ おまえは私のカチートなのか

と ひとにたずねられるたびに

私は いつもこう答える

おまえは とてもかわいいから と

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