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2017年4月 5日 (水)

大英博物館

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   ロンドンの大英博物館はハンス・スローン卿の古美術品を中心として1753年4月5日に誕生し、1759年1月15日から一般にも開館した。初代館長は著名なゴーウィン・ナイト(1713-1772)。現在、世界中からの観光客で毎日混雑している。また展示品の多さに圧倒されて、本当にじっくりと作品を鑑賞することはなかなかできない。東洋の美術品も多い。19世紀から20世紀にかけてヨーロッパ人たちが学術調査探検隊と称して、世界各地から文物を盗み海外に持ち出した、不法流出品が多数ある。日本の古美術品も幕末から明治にかけて海外に流出された名品が多数あるだろう。これらの返還運動を政府や日本人団体が起こしている話はあまり聞かない。日本人は案外と古美術には関心がないのではないだろうか。最近、韓国の利川市で、植民地時代に日本が持ち出した石塔を返してほしいという署名運動が起こっているという報道があった。現在、東京都港区のホテルオークラ東京に隣接する大倉集古館が所蔵している五重の石塔(高麗時代初期)である。大倉喜八郎が1918年に日本に持ち出したとされる。同館では、要望には応じられないとしている。悩ましい問題である。

   思えば、中央アジア探検が一番盛んだったころ、へディン、スタイン、ぺリオ、ル・コック等のヨーロッパ人は多数の発掘品を本国に持ち帰っている。わが国の大谷探検隊も第3回のときに、橘瑞超、吉川小一郎によって敦煌千仏洞の仏教文物が日本に多数もたらされた。1900年、王道士によって第17窟とよばれる蔵経洞の宝庫が発見されるや、敦煌のその名は世界に知れ渡った。ロシアのオブルーチェス、イギリスのスタイン、フランスのぺリオ、ドイツのル・コック、グリュンヴェーデルなどがやってきて、貴重な古文書を運び去ってしまった。なかでも最も悪辣なのが、アメリカのラングドン・ウォーナー(Langdon Warner 1881-1955)である。1923年、莫高窟に来て価値ある経巻が残り少ないとみるや、唐代の美しい塑像や壁画を剥がして盗み去っている。彼は日本の文化財を空襲の対象から外すよう進言した人物とされるが、近年異論もある。

古代エジプトでは「ファラオの呪い」というのがあったが、仏教の世界は慈悲と寛大なのか、盗掘者はなぜか長寿を全うし、自然死なのである。大英博物館のスタインの敦煌文書やパリのギメ美術館のぺリオの敦煌文書を見ると、流出文物問題は今世紀の美術館・博物館の課題となりそうだ。( keyword;British Museum,Hans Sloane,Gowin Knight )

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