神保町に恋して
関西に住んでいるケペルは三宮の後藤書店や大阪の浪速書林、中尾書店などの東洋史関係の本を渉猟することはあった。だがそれも30年以上も昔の話で今では、大阪へも神戸へも行くことがない。近所のブック・オフは、なるほどベストセラー本は105円と安いが、教養書、専門書はいい本がないし、高い。やはり専門書は新刊書店で買うしかない。そんなとき「新本特価情報」という目録が来たので買ってみた。定価の35%ぐらい。従来の古書店に比べると格安でしかも在庫本の処分なので新本(バーゲン・ブック)である。若い頃、東京へ行くと先ず、めざすは神田の古書店街へ、神保町の店に入る。だが若造には敷居は高かった。京都・大阪の専門書店とはスケールが違う。あまりの品揃えのよさと、高価なのに驚き、結局は一冊も買えないで退散した。神田古書店街には現在、全国の3分の2の古書がここに集まっているといわれる。ほとんどの出版社が東京にあることを思うと、本の世界の東京一極集中はなんとか改善できないものだろうか。誰かが神保町で買えない本はたぶん日本で買うことがむずかしいと言っていたが、これは少しも誇張ではない。
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