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2017年4月11日 (火)

「エデンの東」にみる父と母

 ジェームズ・ディーンの「エデンの東」。旧約聖書にあるカインとアベルの物語からとった暗示的なタイトルだが、キャルと父親との対立がストーリーの中心にある。

    アロン(リチャード・ダバロス)とキャル(ジェームズ・ディーン)は同じ両親から生まれたとは信じられないくらい、性格がちがっていた。兄のアロンは父アダム・トラスク(;レイモンド・マッセイ)の信頼も厚く、町の模範青年なのに、弟のキャルは暴れん坊のひねくれ者。父もキャルには手をやいていた。

   ある日、キャルは、彼を産み落としてから離婚していた母ケイト(ジョー・ヴァン・フリート)の噂を聞き、彼女が経営しているいかがわしい賭博業兼バーへ行ってみた。キャルは老醜の母に対して、懐かしさと同時にかすかな嫌悪の情を抱いた。

   父はレタスを冷凍化して大量輸送する新事業に夢中だったが、失敗して財産のほとんどを失う。キャルは、父の損害を自分で取り戻し、それにより父の愛情をかちえようと考えた。あの母親に頼みこんで3千ドルの大金を借りると、第1次大戦による食料不足を予測して、豆をつくる農業に投資した。彼の予測はあたり、父の損害以上の金を得ることができた。

    父の誕生日。父の喜ぶ顔を期待してキャルは例の金をプレゼントした。だが父は断固これを拒否した。そんなものより、兄とアブラ(ジュリー・ハリス)の婚約のほうがずっとうれしいというのだ。キャルの絶望、むくわれぬ愛の悲しみはいつしか兄への憎悪と変わっていく。キャルは兄を連れ出すと、母のところへ連れていった。死んだと思っていた母がまだ生きていたばかりか、自分の最も軽蔑している種類の女であったことを知り、兄のアロンは理性を失う。ヤケ酒におぼれ、苦しみから逃れようと半狂乱のまま、兵役を志願し、町を去っていった。

    ショックのあまり父も脳卒中で倒れ、身動きできない重病人となる。良心の呵責に耐えきれず、キャルは許しを乞うたが、父の顔には何の表情も浮かんでこなかった。アブラは、心からキャルを愛している自分にめざめ、アダムの枕もとで、キャルが父親の愛情に飢えていることを説いた。そしてアダムは、はじめてキャルに父親らしい愛情をしめし、父子の間に愛が甦るのだった。

 母恋しさに旅する場面はあの瞼の母を連想させる。母恋ものは石原裕次郎の「陽のあたる坂道」や「続男はつらいよ」にもと取り上げられるテーマである。

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