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2017年3月 9日 (木)

江戸いろはかるた

   世界の国々には多くの諺や格言、箴言などがある。我が国でよく知られるのは「いろはかるた」である。カルタはポルトガルから伝来したきたものであるが、それを真似して「天正かるた」が作られた。「江戸いろは」は「犬も歩けば棒にあたる」で始まり、「上方いろは」は「一寸先は闇」で始まる。江戸いろはが世態風俗から生じた人間の知恵というのに対し、上方いろはは商売繁盛を願いながら、人間世間の嫌な面も入れているのが特徴であろう。作られたのは江戸後期で、何年何月という記録は不明であるが、明治、大正となるにつれ、江戸いろはが全国的に知られるようになったものであろう。現在、遊びとしての「かるた」の頻度は減少したが、その句は日常の会話で、知らず知らずに使われている。

い 犬も歩けば棒にあたる

ろ 論より証拠

は 花より団子

に 憎まれ子世にはばかる

ほ 骨折り損のくたびれ儲け

へ 屁をひって尻すぼめ

と 年寄りの冷や水

ち 塵もつもれば山となる

り 律義者の子だくさん

ぬ 盗人の昼寝

る 瑠璃も玻璃も照らせば光る

を 老いては子に従い

わ 割れ鍋にとじ蓋

か かったいの瘡(かさ)うらみ

よ 葭の髄から天井を覗く

た 旅は道づれ世は情け

れ 良薬は口に苦し

そ 惣領の甚六

つ 月夜に釜をぬく

ね 念には念を入れ

な 泣きっ面に蜂

ら 楽あれば苦あり

む 無理が通れば道理ひっこむ

う 嘘からでたまこと

ゐ 芋の煮えたもご存知ない

の 喉もとすぎれば熱さわするる

お 鬼に鉄棒

く 臭いものに蓋

や 安物買いの銭うしない

ま 負けるのは勝

け 芸は身を助ける

ふ 文はやりたし書く手は持たず

こ 子は三界の首枷

え 得手に帆をあげ

て 亭主の好きな赤烏帽子

あ 頭かくして尻かくさず

さ 三べんまわって煙草にしょ

き 聞いて極楽見て地獄

ゆ 油断大敵

め 目の上の瘤

み 身からでた錆

し 知らぬが仏

ゑ 縁は異なもの

ひ 貧乏ひま無し

も 門前の小僧習わぬ経を読む

せ 背に腹はかえられぬ

す 粋は身を食う

京 京の夢大坂の夢

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