ヴェニスの夏の日
映画「旅情」は、イギリスの巨匠ディヴィッド・リーンが1955年にベニス・ロケで作ったロマンティックな名作である。キャサリン・ヘプバーン演じるジェーンはアメリカで秘書として働くうち、結婚適齢期をとっくに過ごしてしまう年齢。そこで夏の休暇を貯金をはたいてはるばるベニスまで観光旅行にやってきた。はたせるかな中年のイタリア男、レナートが現れる。純情な女学生のように若返って、ジェーンはレナートを愛してしまう。レストランで買ってもらったクチナシの花。レナートは「バラやランでなく、なぜクチナシ?」とたずねる。ジェーンは「初めてのダンスパーティーでの思い出がクチナシだった。でも相手はまだ高校生で進展しなかった」と。やがて2人に別れのときがくるが、駅にやってきたレナートの手にはクチナシの花があった。旅行先でのつかの間の恋の話は無数にあるが、いまだにこの「旅情」をこえた作品はない。
映画音楽はアレッサンドロス・チコニーニが担当している。とくに主題曲「ヴェニスの夏の日」は大ヒットして、ムード・ミュージックの定番ともなっているが、ヴォーカルでも主演者のロッサノ・プラッツイやジュリー・ヴェールが吹き込んでファンを喜ばしている。
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