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2017年3月13日 (月)

ネアンデルタール人は本当に花を愛したのか!?(異説世界史)

S16_07

    ネアンデルタール人は55万年から69万年前にホモ・サピエンスの祖先から分岐した別種で、絶滅したので現生人類との系統的なつながりは無いと考えられている。アフリカで進化を遂げた新人(ホモ・サピエンス・サピエンス)の一派が、約4万年前にアフリカからヨーロッパに渡った。彼らをクロマニョン人という。ネアンデルタール人はクロマニョン人によって滅ぼされたという説が有力である。しかし2011年、遺伝子研究の結果、私たちのDNAにネアンデルタール人の痕跡が確認され、ネアンデルタール人とクロマニョン人が通婚し、やがてその形質的特長を失っていったということも考えられるようになっている。ただしネアンデルタール人が現生人類と異なる系統にあるということは動かし難い事実である。アメリカの考古学者ラルフ・S・ソレッキが「ネアンデルタールは死者に花を手向けた」というシャニダール洞窟での報告が有名である。我が国の書物やネットでも園芸家、華道家、葬儀屋までもネアンデルタール人の生死観について語っている。ネアンデルタール人は、自分の夫・妻、子ども、両親などが死んだりすると、愛情の対象を失った悲しみから花を捧げる習慣が生まれたというのである。ほんとうに現代医学や心理学でいうところの「対象喪失」がネアンデルタール人にあったのだろうか。ネアンデルタール人の前頭葉は現生人類の70%しかない。創意工夫の能力に欠け、死者に花を手向けるということに対して、近年の研究では疑問視されている。花粉が風に乗ってきたのかもしれないし、花の好きな女性で生前自分で花を飾っていたのかもしれない。「ネアンデルタール人は死者を悼む心があり、優しい心情をもつた人類」「宗教心のめばえ」とする説はいささか勇み足だったようである。洞窟の壁画を描いたり、オオカミを飼い馴らしたり、さまざまな石器を作ったりするのはクロマニョン人である。「ネアンデルタール人と花」は既成事実として定着してしまった。ラルフ・S・ソレッキという学者は著名なのであろうか。英語版ウィキペディアでも記述は少ない。1917年生まれで存命していることになっている。「ネアンデルタールの謎」ではなくて「ソレッキの謎」である。そしてソレッキの説が発表されて以降、旧石器人が花を愛したという報告はほとんどない。花が壁画に現れるのは、文明が誕生したエジプトの新王国が最初である。( keyword;neanderthalensis,Cro-Magnon,Ralph Stefan  Solecki ,Shanidar )

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