聖書の「カエサル」はカエサル(シーザー)ではない
正常な分娩をすることができない場合、切開して中の胎児を取り出すことを「帝王切開」という。医学用語ではラテン語で「セクティオ・カエサリア」という。カエサル(シーザー)の出生が、こういう外科手術によったためといわれるが、皇帝ではないカエサルがなぜ帝王なのだろうか。聖書の中でローマの独裁執政官や皇帝は何人登場するだろうか。マタイ伝に「カエサルのものはカエサルに」とあるので、カエサル(シーザー)、アウグストゥス、ティベリウス、クラウディウスの4人と答える人がいる。正解は3人である。マタイ伝の「カエサル」とは「ローマ皇帝」という意味である。カエサルとは、西暦前46年にディクタートルとして任命された、ガイウス・ユリウス・カエサルの家名である。その後のローマ皇帝たちの幾人かは、自らカエサルを名乗った。イエスが税の支払いについての質問に答えて、「カエサルのものはカエサルに、しかし神のものは神に返しなさい」と言った時に政権の座にあったカエサルは、ティベリウスだった。ティベリウスは正式にはティべリウス・ユリウス・カエサルというが、イエスはティベリウスに限定するつもりで述べたのではなく、「カエサル」という語は、民事当局、すなわち国家を象徴していたと考えられる。デナリ銀貨(デナリウス)にはティベリウスの肖像が刻印されていた。(Tiberius,dienarius) Render therefore to Caesar the things that are Caesar's,and to God the things that are God's.
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