韓国のクレメンタイン
日本では西堀栄三郎の作詞「雪山讃歌」(1927)として知られるアメリカ民謡「いとしのクレメンタイン」は韓国でもよく知られている歌である。
ネサランア ネサランア
ナエサラン クレメンタイン
ヌルグンエビ ホンジャトゴ
ヨンヨン アジョ カッヌニャ
この曲が朝鮮半島にいつ伝わったのか不明である。終戦前にはすでに知られた歌で、ジョン・フォードの映画「荒野の決闘」(1946年公開)でないことは確かである。日本植民地時代にラジオで広まった歌であろう。アメリカの歌は水死した娘を愛しむ内容だが、韓国では親と子との別れの歌で、「老いた父親一人残して、どこに行ってしまったの」という歌詞はアメリカのもと歌に近い。そのため韓国ドラマ「春のワルツ」でもイメージ・ソングとして何度も曲が流れた。チャン・ヒョク主演のドラマ「ありがとうございます」第4話「子守唄がききたい」にも使われている。韓国人にとっては親子の悲しい別れの調べとして心にひびく子守唄のようなやさしい曲である。日本人にはむかしのアニメ「珍犬ハックル」が調子っぱずれで、「オーマイ、ダーリン、オーマイ、ダーリン」と歌う。詩は1884年のパーシー・モンローズの作。原曲はスペインの曲で、コールドラッシュ時にメキシコ人鉱夫の間に広まり、それに様々な英語の詩がつけられたらしい。
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