ポリティカル・コレクトネス
トランプ米大統領に抗議するイベントで乱闘騒ぎを起こした俳優シャイア・ラブーフが逮捕された。マドンナ、ガガ、エマ・ワトソン、ミア・ファローなど反トランプのハリウッドセレブは多い。しかし俳優であり監督であるクリント・イーストウッドは数少ないトランプ支持者だといわれる。その理由は近年メディアの言葉狩りに関することかららしい。
クリント・イーストウッド主演・監督の「ハートブレイク・リッジ」(1986)を観る。古参軍曹が若い兵士を鍛えなおす戦争映画だが、根底にあるアメリカ人のスピリットは古き西部劇のスタイルを完成したもので爽快な作品である。劇中、ちょっと下品で卑猥な言葉が多く使われており、人間味がでていてよいがなぜだろう。おそらくこの頃からアメリカではポリティカル・コレクトネスという風潮が起きてきた。わかりやすくいえば偏った用語や差別的なことばを追放し、中立的な表現を使おうとする運動のこと。例えば、クリスマスのとき、「メリー・クリスマス」といわず「ハッピー・ホリデー」、クリスマスツリーを「ホリデーツリー」という。かつてアメリカに禁酒法があったようにかなり極端に走るお国柄である。だがなにごとも行き過ぎはよくない。差別批判が怖くてうかつに物を言えない社会になっていった。クリント・イーストウッドはポリティカル・コレクトネスを強制する風潮について映画で警鐘しているように思える。 political correctness
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